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2007年10月

2007年10月30日 (火)

ハイウエストビスチェドレス(9)後編

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ご披露宴が終わられて、ご会場の庭にふと目をおとすと、

Chihiroさんがご自身のお仕事でつくられそうなデザインの池に、

この日咲いていた、一輪のピンクの蓮の花が。水に浮かぶこの花が、

彼女にいちばんよく似ているような、そんな気がしました。

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お食事を召し上がった後、二次会のためのヘッドチェンジをされて。

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二次会までは、生花のヘッドドレスは美しくもたないため、シルクフラワーを飾って。

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Chihiroさんは、草原で花を摘んで束ねたような、このブーケをもたれて、

これからの一生ずっと大切な思い出となられた、

彼女が生まれる以前からずっとこの地に在る、

人生のお仕事と同様に大切な建物、かけがえの無い場所を後にされました。

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プレタポルテライン、プレタポルテドレスの最大の魅力は、

ご本人が選ばれるものであること、最終的にその一点に尽きます。

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花嫁が、ご自身の力で手に入れられた、

晴れの日に咲く美しい花、花嫁姿を。

Chihiroさんとの思い出と共にご紹介いたしました。

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ハイウエストビスチェドレス(9)前編

自由学園明日館、ウェディングドレス 

2007年夏から秋にかけて、このアトリエワークにてご紹介してまいりました、

ハイウエストビスチェドレスの連載は、この回にて終了となります。

自由学園明日館、ウェディングドレス

(7)話でご紹介した、Chihiroさんのお式時のスタイルは、

調和をはかってつくり上げられたものでした。

ちょうどアトリエで、パターンラインを描くように、点をつなげて線にするお仕事。

白ブーケは、まさにChihiroさんご自身を投影させたような、

ドレスでいえばオーダーライン、お式に相応しく象徴的なお花でした。

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Chihiroさんのお色直しスタイルは、

つくり出されたものが調和を成したものでした。

レース刺繍デザインをするように、線によって面をつくるお仕事。

色ブーケはご本人とドレスに似合って、Chihiroさんがそこに立たれると、

歴史のある建物があたかも、新しい空間に成り変わるかのようでした。

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ハイウエストのワンピースドレスには、お花のコーディネートがよく似合います。

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スカートトレーンとレース刺繍トレーンには、シンメトリーのレースモチーフが配置され、

その構図は、ご会場の建物や窓のデザインに、抽象的にリンクをしています。

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花嫁を飾る花々は、ゲストの皆様の気持ちを華やぎ、こころ楽しませてくれます。

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胸元のベルト部分とリボントレーンとが続くラインに飾った、腰のバックアレンジメント、

やはりベルト部分に連なるリボンを、取っ手に飾ったブーケ、お揃いのヘッドドレス、

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ご会場の庭の緑、エメラルド色の屋根に、ピンク色がテーマの白ドレスとお花が、

自由学園明日館、ウェディングドレス

ピンク色の頬をして微笑まれるChihoroさんに、全てがつながり一体となっていました。

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2007年10月22日 (月)

ハイウエストビスチェドレス(8)後編

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ブーケに合わせて、ドレスと同じ生地のリボンを、アトリエで製作することがあります。

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Chihiroさんの場合には、ドレス前面に長いリボンが使われているデザインですので、

クラッチブーケをやさしく引き締め、ドレスとブーケをつなげる

短いリボンを、ドレス胸元のタックに合わせておつくりしました。

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お花については、このように簡単なラフをご用意することがあります。

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リボンの付け方が分かるよう、お写真を用意しました。

アトリエで生地を巻いてつくった、ワイヤーを縫い付けています。

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こうしたお写真を、フローリストさんとの打ち合わせに使っていただいています。

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フィッティング時に、花の付け方もシルクフラワーを使ってシミュレーションし、

フローリストさんとの打合せ時に、生花の分量がどのくらいでよいかということはもちろん、

生花ヘッドドレスの付け方、付け位置なども、お写真でご覧いただいています。

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Chihiroさんは最終的に、お色直しで少しだけの生花を可憐に飾り、

このドレス本体に、リボントレーンとレース刺繍トレーンを付けることにしました。

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強いヘアメイクスタイルやブーケの場合には、ドレスのコーディネートをおさえることが、

表情豊かなドレスの場合には逆に、ヘアメイクスタイルやブーケを馴染ませることが、

ドレスとヘアメイク、お花のコーディネートを考える際の、それが基本になります。

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ハイウエストビスチェドレス(8)前編

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(7)でお伝えした仏製金糸入りリヴァーレースを、

やはり最高級の仏製薄シルクオーガンジーに透かし見せる、

繊細で凝ったつくりの、取り外し可パフ袖をおつくりしました。

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本仮縫い時のお写真。最終的に使われることになった、

ソフトチュールヴェールと同じ生地も、袖の中に入れ込んでつくることに。

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お式後にChihiroさんが送ってくれた、リングピローのお写真。

お分けしたドレスのレース生地を使った、Chihiroさんのお母様、手づくりの品です。

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ヘアメイクコーディネートでのお写真。

Siestaでは、ドレスに似合うヘアメイクをしていただくために、

実際にヘアメイクをさせていただいた上で、ご試着、フィッティングをすることがあります。

そのお写真を、たとえばリハーサルで、担当のヘアメイクさんに見ていただくことは、

言葉よりも雄弁なコミュニュケーションにつながります。

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こちらのバックも、お母様がつくられた物です。

レースと、やはりドレス共布の、オーガンジーとペールピンクシルクを使って。

オーガンジーの下にレース刺繍が透けています。

家庭科の先生をされていらっしゃる、Chihiroさんのお母様ならではの作品でした。

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Chihiroさんのドレスは身頃だけでなく、スカートのトレーン部分でも、

金糸入りレースが薄オーガンジーに透けるよう、おつくりしていました。

ドレスデザインに合わせてつくって下さった、そのコーディネート能力に。脱帽です。

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2007年10月17日 (水)

ハイウエストビスチェドレス(7)後編

それがご試着後、Chihiroさんご自身がSiestaのドレスに感じられたことを、

メールで書き送って下さった、その内容を拝見して、

初の「プレタポルテライン」のドレスをご提供させていただくことになりました。

Siestaのプレタポルテラインでは、まずはお二人が選ばれるご会場とその場所に、

お似合いになると考えたドレスを、ご提案させていただきます。

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たとえばChihiroさんのこちらのご会場には、スレンダーのエンパイアライン、

そして、スカートの脹らみは写真のようなAラインくらいまでが、よく似合います。

Chihiroさんは基本的に白色の生地、ベルトやリボンにピンク色を選ばれましたが、

シャンパン~生成り系色のバージョンもあり、こうした建物にはより似合います。

ご会場の建物の建築性を理解され、その魅力に惹かれてお決めになられたという

Chihiroさんにならきっと、このドレスを着こなしていただけると思いました。

物づくりの中で最大のものは、建築物です。

それがどちらでも、まずはご会場に似合う衣装、コーディネートを考えてゆけば、

ビジュアル的には必ず、よい結果に導かれてゆきます。

自由学園明日館、ウェディングドレス 

彼女が最終的に選ばれたこのヴェールは、

ドレスとブーケ、ぶつかり合う両者の意図を消し去って調和をはかり、

1つのものに同時に存在するかけ離れた2つのものをつなげる、

建築でいえばちょうど、架け橋のような役割をしています。

自由学園明日館、ウェディングドレス

彼女はメールの中で、ドレスラインの美しさと生地の上質感について言及され、

「地と空の溶け込むような、境界線の無さ、優しく軽やかな空気感、現実感の無さ」

そんな評価をして下さいました。建築家である、彼女らしいお言葉でした。

自由学園明日館、ウェディングドレス

このブーケには、彼女のもたれている知性や構想力が感じ取られるようでもあり、

デザイン性の高さに焦点が置かれているという点で、

衣装よりもお花のほうが、建物と内装によく似合っていて、

その流れるようなラインは、会場とドレスを上手につなげてくれているかのようでした。

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Chihiroさんのドレスは、一見して可愛らしい雰囲気のデザインですが、

菊のような花柄模様、つるが上方に伸び、東洋的な非対称柄を成して、

渋味を感じさせる程に格調高い、最高級の仏製金糸リヴァーレース刺繍を施すことで、

アトリエのつくり手たちの意思や異質なもの同志の融合を、エレガントに実現しました。

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プレタポルテラインのドレス、オーダーラインよりもSiestaの個性が強く打ち出される、

そのご衣装を、ご自身のものにして他者との関係をまとめ上げてゆくのは、

花嫁である女性のもてるエレガンス、花の香りのようなそれに、いつも拠ってゆきます。

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2007年10月16日 (火)

ハイウエストビスチェドレス(7)前編

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Ms.Chihiro.I.married on '07.6.9

Chihiroさんのハイウエスト切り替えドレスは、

胸元2種類のシルクオーガンジー生地とタックギャザーパターン、

その柔らかさと固さのバランス、生地とパターンの相互関係の、

計算と造形力が特徴的な、プレタポルテラインです。

自由学園明日館、ウェディングドレス 

繊細なリヴァーレースの華奢な輪郭を、

透かせて見せるほどに極薄な生地の透明感、

その共布を薄く手染めてつくった胸元コサージュの、

花びら一枚一々の繊細な重なり。

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上質な素材と緻密な作業によって生まれる、胸元の表情の豊かさが、

花嫁らしい、儚げで上品な印象を、お顔まわりに醸し出します。

スカートがシンプルな、エンパイアラインならではの身頃づくり、

こうしたドレスラインでは、

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ヴェールの選択はもちろん、

身頃とヴェールのラインのつながり方が、大変重要になってきます。

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柔らかなソフトチュールヴェール、優しげな雰囲気をより強調する付け位置、

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お式時のダウンスタイルはそれだけで印象的、その髪型を強調する付け位置。

自由学園明日館、ウェディングドレス 

お式当日には、ちょうど中間くらいの付け位置を取りました。

そして、中庸の選択によって強調されたのは、中央に持たれたブーケでした。

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実は当初には、身頃胸元を最大限に強調する、短か丈パターンの、

コケティッシュなヴェール使いをすることを考えていました。

この場合、女性の優しさや可愛らしさといったテーマが強く打ち出されるため、

上写真のようにブーケも、ドレスに自然に馴染むものでなければなりません。

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けれどChihiroさんがお式時に選ばれたお花、望まれていたブーケは、

ドレスのデザインコンセプトとは相容れない、

寧ろちょうど間逆の魅力を、色濃くかつ鮮明に持ったものでした。

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初回ご試着時のChihiroさんです。

彼女のもたれてる魅力のもう一つの側面、意思の強く聡明な、大人の女性らしさ。

毎夜遅くまでお仕事に没頭され、けれど常に平静で穏やかなChihiroさんに、

そうした個性を前面に押し出すデザインを、最初には考えさせていただいていました。

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