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2004.03.12

具足

昔ある女性に、ほとんど詰問に近い口調で言われました。
「どうして日本の男性はおしゃれをしないのか。若いうちはまだしも、中年になるとぜんぜん構わなくなる。
外国の男性は、おじいさんになっても十分おしゃれを楽しんでいるのに」
私自身、さしておしゃれに興味はありませんので、冷や汗をかきながらとっさに口をついてでたことは、
「いや、戦国時代はおしゃれだったんだけれども」
と自分で言って自分で驚きました。なるほど昔は結構派手な民族だったのかもしれません。

源平から戦国にかけての具足(つまりよろいかぶと)のきらびやかさ、というのは大変なものです。
その上重い。あれを着て一日中かけずり回るのですから、
その大変さは巨大ヴェールと巨大トレーンを引きずる花嫁の比ではないでしょう。
鎧はまだしも防御の意味がありますが、兜なんか重量の4割は無駄な装飾なのではないでしょうか。
それら装飾は、敵味方に自分の存在をアピールする、という意味もありますが、
同時に、ウエディングドレスを着込む女性と同じ意味もあったと思います。
つまり、死装束です。
どうせ死ぬなら、花と散りたいわけです。
海軍でも、いざ海戦となれば、まっさらの軍服に着替えていたそうですし。

しかし現在の社会では、なかなか死装束を着る機会はないようでして、
欲求不満で結婚式のときに衣装に凝ってしまう男性も、時々います。
特注で服を作ったり、あるいはお色直しをしたり。
そういう男性はたいてい、いかにも優れた人物なのですが、
なんだか平和で堅苦しい日本が生きにくそうで、
明治維新とか太平洋戦争とか、そういった、
もっと動乱の時代に生まれていたら、
生き生きと生活できた人だろうなあという感じを私は持っています。

前述の女性の疑問に、いまなら返答できそうです。
「ヨーロッパやアメリカは、なんのかんの言って平和ではない。
だから男性もおしゃれをしてるんだ。
平和を愛するならば、ダサい男性を許容してくれ。
ダサい男性を許容しないならば、戦争を許容してくれ」

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