出会い
1年以上前のことだが、デザイナーとたまたま西荻窪の街を歩いていると、
植物まみれの一角があった。
一緒に歩いていたデザイナーの様子が、豹変した。
「この花の咲き方、というより、咲かせ方、、!!!!
花びらの開かせ加減、茎に通してる真っ直ぐな力、、、、
(意味不明な言語がしばし続く)」
普段から何を言っているかよく分からない方だが、
その時は興奮のためいつにもまして何を言っているのか分からなかったのだが、
植物まみれの一角の光景に感動していることだけは理解できた。

その一角はお花屋さんであった。
店名を「エル・スール」さんという。

デザイナーは是非一緒に仕事をしてゆきたいと言い出した。
「せめて作例見たいところだけど」
と言っても、
「絶対に大丈夫。私を信じて」
と言い張る。
それでお客様にお勧めして、出来たのは
私の目には、「ありきたりの、普通の」ブーケであった。

二人目

三人目

くらいでようやく私も気が付いた。
物凄く普通の、しかし、他では絶対に存在していないブーケなのである。
たとえばアズールの平松さんのブーケは、

「知的」なブーケである。小さな空間に、収まるはずのない多くの要素をあっさり収めてしまう。圧縮された色世界を解凍してみれば、おそらく5倍くらいの大きさになるのであろう。
対してルグラン原田さんのブーケは、

「自然」なブーケである。物凄い技術を駆使してはいるのだが、野っぱらに生えている花の群れをそのまま刈り取ってきたような印象を受ける。溢れる花の生命力がそのまま形になったようである。
それで、エルスールさんのブーケは、

「静かな」ブーケだと思う。
材料の質はありえないほど良く、そのせいで内側から光がにじみ出てくる印象を受ける。

一方フォルムはオーソドックスで、平松さんや原田さんのような、分かりやすい個性はないが、完璧に計算されている。だがその計算を感じさせることはない。ただ静かに佇んでいるだけである。

このまま永遠に地球上に存在し続けるのではないか、と思わせるブーケである。
ブートニアですら、


これほど絵になる。
ヘッドドレス用のパーツも、

サラダのように新鮮で、ドレッシングをかければ食べられそうなのだが、それでいてどこか静かな印象である。
作者は、

の向かって左端、渡辺邦子先生である。
雑誌の「花時間」にも大々的に載ったりするから、大家なのかもしれないが、私は花業界のヒエラルキーにたいして、知識も興味もないから分からない。実際お会いすると、ゆっくりのんびり話される普通の方であるが、時々名言を残すのである。
いわく、「人生は花を通して味わえる」
ちなみに花の鮮度であるが、あんまり凄いので娘さん(であり、時々BCとしてお手伝いお願いしている)の岡田さんにお聞きしたところ、「はい、うちは鮮度は良いです」と言い切ったあと、ハンドパワーによるものである、と教えてくれた。
「だれが、どういう気持ちで切るかで、切花のきれいさ、日持ちは全く変わってくる」のだそうです。そういえば挙式翌日エルスールさんに連絡を取ると、渡辺先生は大抵寝込まれている。ハンドパワーの出しすぎによるものと推察される。
エルスールさんは、シック、エレガント、といった感じのドレスをご用意するお客様に、お勧めすることが多いようである。新規お客様のご紹介者のお礼としても使わせて頂きたいと思っている。
最後に、ご興味ある方のために地図を掲載する。
http://siestaphoto.client.jp/eru/
の「西荻児童館前」近辺にあるが、多分西荻駅で電話して道順を聞いた方がよいかと思う。
ちなみに隣にある「さや」のラーメンは、結構上手い。





















