またまた新しいコラム、ほか「花嫁たちの写真集」について
又新しいコラムを立ち上げました。
です。
作者の敬子さんは、歴史に詳しく、
結婚に関する歴史の薀蓄を書いてくださる、予定です。
ほか、
「花嫁たちの写真集」
一部内容を削りました。
昔のドレスですので、現在のものとはラインが変わってしまったからです。
花嫁様たち、お疲れ様でした。
また皆様の前にお目見えするまで、
しばしのSiestaでお休み下さいませ。
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又新しいコラムを立ち上げました。
です。
作者の敬子さんは、歴史に詳しく、
結婚に関する歴史の薀蓄を書いてくださる、予定です。
ほか、
「花嫁たちの写真集」
一部内容を削りました。
昔のドレスですので、現在のものとはラインが変わってしまったからです。
花嫁様たち、お疲れ様でした。
また皆様の前にお目見えするまで、
しばしのSiestaでお休み下さいませ。
なにやら詩的な題名をつけたが、
ただの業務連絡です。
旧「Topics」を完全廃止し、
Blogに移行しました。
Siesta-TopicsというBlogも廃止して、
話題別に分けました。
からどうぞ。
新しいコラムを始めました。
「Suzucolumn」
と言います。
からお入りくださいませ。
作者鈴木さんはSiestaでは、
メールのほかに、お花の用意や、アロマの用意などが役目です。
一児の母ですので、フルタイム勤務とはいきませんが、
たまに接客をすることもあります。
こんなメモを見かけたら、
それは鈴木さんの用意した花です。
Art of Bridesに新しい写真をアップした。
http://www.siesta-dress.com/art/miki/g1-1.html
日光での写真は、上垣さん撮影なのだが、
新婦Mikikoさん

は、
美大卒にもかかわらず、
「民俗学が全ての基礎」
と言い切る方で、
お姉さまが著名な占い師という、
そういう方であった。
そんな傾向を上垣さんが理解したものだから、

迫力のある写真が上がってきた。
ちなみにこの日は台風の日であったのだが、
Mikikoさんが外に出ている間だけ、雨は降らず、
屋内に入ると雨が降ったそうだ。
晴れ男上垣さんの神通力か、Mikikoさんの霊力かは不明であるが。
この「民俗学」という言葉を、
聞き慣れない方もいると思う。
特定民族の、神話、民話、生活習慣を、
深く掘り下げて研究する学問である。



Mikikoさんいわく、
「巫女の舞が一番凄かった」
そうであるが、
確かに写真で見ても凄い。

「民俗学」の具体的イメージが、
相当表現されている写真だが、
それでもまだ理解しづらい方の為に、
「遠野物語」より一文参照する。
・・・・・・日露戦争の当時は、
満州の戦場では不思議なこと許(ばか)りがあった。
露西亜の俘虜の言葉に、
日本兵のうち黒服を着て居る者は射てば倒れたが、
白服の兵隊はいくら射っても倒れなかったと
いうことを言って居たそうであるが、
当時白服を着た日本兵などは居らぬ筈であると、
土淵村の似田貝福松という人は語って居た・・・・・
さて私のほうの撮影会は冬だったのだが、
大変運良く、
薄雪が積もったのだが、
これもなにかの力が働いている気がしなくもないのだが、
あまり書くとわざとらしいので、
夏向きのコラムはここまでとする。
ちょっとした、本当にちょっとしたアクセサリリーのリフォームをお願いしたら、
FAXの書面でこっぴどく怒られた。
「よりによって個展の初日に!!!」
そう、今銀座で個展をされている。
http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rengagarou/now.html
10日金曜日までである。
アクロシェクールの宗田さん
http://homepage2.nifty.com/accroche-coeur/souda.html
とのヘアメイクリハーサル。
アクロさんはメイクを自社で作った上で、
ショップに移動して、仕上げをされます。

こちらの方も、ヴェールで色々やってみました。



挙式は白で、お色直しは緑で




こちらの写真

ご覧いただきたい。
通常のヴェールのつけ方とは異なっている。


ヴェールの可能性を掘り下げてゆきたいと考えていて、
これらは10ヶ月前の写真だが、そのころから色々取り組んでいる。
これは通常ののヴェールを、工夫して付けているだけだが、効果は充分出た。
こういう布一枚での仕事は、
多分日本人とインド人が、一番優れていると思うので、
頑張ってゆきたい。
(ちなみになぜインド人が上手いかと想像しているかというと、
彼らの民族衣装のサリーは、一枚布だからである)

1月21日。
窓の外は雪。
1年以上前のことだが、デザイナーとたまたま西荻窪の街を歩いていると、
植物まみれの一角があった。
一緒に歩いていたデザイナーの様子が、豹変した。
「この花の咲き方、というより、咲かせ方、、!!!!
花びらの開かせ加減、茎に通してる真っ直ぐな力、、、、
(意味不明な言語がしばし続く)」
普段から何を言っているかよく分からない方だが、
その時は興奮のためいつにもまして何を言っているのか分からなかったのだが、
植物まみれの一角の光景に感動していることだけは理解できた。

その一角はお花屋さんであった。
店名を「エル・スール」さんという。

デザイナーは是非一緒に仕事をしてゆきたいと言い出した。
「せめて作例見たいところだけど」
と言っても、
「絶対に大丈夫。私を信じて」
と言い張る。
それでお客様にお勧めして、出来たのは
私の目には、「ありきたりの、普通の」ブーケであった。

二人目

三人目

くらいでようやく私も気が付いた。
物凄く普通の、しかし、他では絶対に存在していないブーケなのである。
たとえばアズールの平松さんのブーケは、

「知的」なブーケである。小さな空間に、収まるはずのない多くの要素をあっさり収めてしまう。圧縮された色世界を解凍してみれば、おそらく5倍くらいの大きさになるのであろう。
対してルグラン原田さんのブーケは、

「自然」なブーケである。物凄い技術を駆使してはいるのだが、野っぱらに生えている花の群れをそのまま刈り取ってきたような印象を受ける。溢れる花の生命力がそのまま形になったようである。
それで、エルスールさんのブーケは、

「静かな」ブーケだと思う。
材料の質はありえないほど良く、そのせいで内側から光がにじみ出てくる印象を受ける。

一方フォルムはオーソドックスで、平松さんや原田さんのような、分かりやすい個性はないが、完璧に計算されている。だがその計算を感じさせることはない。ただ静かに佇んでいるだけである。

このまま永遠に地球上に存在し続けるのではないか、と思わせるブーケである。
ブートニアですら、


これほど絵になる。
ヘッドドレス用のパーツも、

サラダのように新鮮で、ドレッシングをかければ食べられそうなのだが、それでいてどこか静かな印象である。
作者は、

の向かって左端、渡辺邦子先生である。
雑誌の「花時間」にも大々的に載ったりするから、大家なのかもしれないが、私は花業界のヒエラルキーにたいして、知識も興味もないから分からない。実際お会いすると、ゆっくりのんびり話される普通の方であるが、時々名言を残すのである。
いわく、「人生は花を通して味わえる」
ちなみに花の鮮度であるが、あんまり凄いので娘さん(であり、時々BCとしてお手伝いお願いしている)の岡田さんにお聞きしたところ、「はい、うちは鮮度は良いです」と言い切ったあと、ハンドパワーによるものである、と教えてくれた。
「だれが、どういう気持ちで切るかで、切花のきれいさ、日持ちは全く変わってくる」のだそうです。そういえば挙式翌日エルスールさんに連絡を取ると、渡辺先生は大抵寝込まれている。ハンドパワーの出しすぎによるものと推察される。
エルスールさんは、シック、エレガント、といった感じのドレスをご用意するお客様に、お勧めすることが多いようである。新規お客様のご紹介者のお礼としても使わせて頂きたいと思っている。
最後に、ご興味ある方のために地図を掲載する。
http://siestaphoto.client.jp/eru/
の「西荻児童館前」近辺にあるが、多分西荻駅で電話して道順を聞いた方がよいかと思う。
ちなみに隣にある「さや」のラーメンは、結構上手い。
仕立ての特集をアップしたが、
これはスタッフたちの要望というのも、理由である。
暗黙の期待を背中にビシビシ感じるので、今回大々的に取り上げた。
例えば
http://siesta.tea-nifty.com/column/2005/02/index.html
で取り上げた、

は、

の方の肩紐である。
同じように、細い仕立てで、レース袖も処理してあるのだが

通常の紹介方法、
「花嫁達の写真集」では、
写真一枚で通過してしまうようなことであり、
なかなか文章でご紹介は出来ていない。
こういうことを取り上げにくいのは、
消費者にとって気付きにくい点であるということと、
あくまでよい服を作る手段であって、目的ではないためである。
実際の内部の作業は、こんなことの連続なのである。
当社に限らず、服に携わる人々は皆こんなもので、
パターンのちょっとした修正やら、縫い代の幅やら、裏地の選択やら、
傍から見ればどうでもよいことで、頭をウンウン悩ますものである。
いやそれもあくまで手段ではあるのだけれど。
そしてこういうことは、
上手くなればなるほど、製品は、角が取れて、
むしろおとなしく、しっとりとしたものになる。
なんのヘンテツもない商品になるのである。
そのかわり、着てる人が良く見えるのだが、
黒子といえばこれほど黒子な仕事もないのである。

ヘアメイクSiestaの新規受付を、開始いたしました。

Siestaのドレスでああろうとなかろうと、
そもそもドレスであろうとなかろうと、
ヘアメイクと小物コーディネイトをしてしまおうということである。

HPは逐次アップしている。
まだ未完成だが、なにしろSiestaのHP自身、
(これほど頻繁に更新しているにもかかわらず)
11ヶ月遅れであるので、
なかなか手が回らない。
条件はSiestaでのヘアメイクと同等である。
なにかご質問あればメール下さい。
主宰は理恵子さんで、
デザイナー咲野の妹さんである。

ちなみに写真の花嫁は、
台湾出身のリンさんである。
チャイナドレスの着こなしは、流石に板についております。
35を過ぎてからというもの、めっきり無意味な駄洒落が増えた。オヤジの宿命である。
そして私は抗いはしない、静かに運命を受け入れてゆく、
ちょうど夕日が沈むのを受け入れてゆくように。
この文章の題名も、「フィオレッタ、探訪」が正式名称なのである。

といったシルクフラワーコサージュだが、
当店は全て、フィオレッタさん
http://www.parkcity.ne.jp/~m-tazaki/index.html
にお願いしている。
先日店舗の画像を撮りにいった。
な感じの小さなお店でだが、
非常に気配りが行き届いている。
店に入ると、
花じゅう店だらけである。
アンティークもお好きで、
置いてある。
こちらのコサージュ、何が優れているかというと、
全ての花びらに、色のグラデーションがある。
だから、自然の花びらに近いのである。
以下、田崎先生語録。
「単色だと、プラスチックみたいでしょう」
「あとやっぱり化繊はどこまでいっても化繊。シルクには勝てない」
「図鑑は見ることもあるけれど、基本的には頭の中にある花を作っている。
標本製作じゃなくて、きれいな花を作るのが仕事だから」
最後の一言は、服屋の理屈にちょっと似ていて面白かった。
服も、正確な採寸は重要だが、
そのひとにぴったり合った服を作るだけではだめで、
誇張のしすぎはまずいにしても、
若干の美化は、どうしても必要なのである。
スタッフ増員により、
店の開いている時間を長くすることができましたので、ご案内いたします。
定休日:月曜日・水曜日→水曜日のみ定休日に変更
開店時間:12:00~20:00→土日は10:00~21:00、平日は12:00~21:00に変更
いたしました。なお祝日は平日時間帯として営業いたします。

これにより、ご来店予約は取りやすくなります。
今まで、スケジュールにおいてご迷惑をおかけしていましたこと、改めてお詫び申し上げます。
東北には魂がある。
例えば文学者ならば、石川啄木、太宰治、宮沢賢治。
素直で、透明で、宇宙的とも思える、独特の世界。

今回アップしたMachikoさんは、
普段は気さくなお母様だったが、
写真の中では、
どこか魂を感じさせる、
素晴らしい表情をされている。

「卒業した小学校は過疎で廃校になって」
と笑っていた彼女は、山形県出身だった。

ピンクレースを刺繍した、
ヴェールとワンピースをご用意させていただいた。
ブーケを作ってくれた原田さんは、
確か宮城県出身だったはずである。

竹ひご細工のような、
中が空洞で、表面にびっしりと花が覆うブーケは、
その超人的な技術以上に、
花嫁への共感が、感じられるものだった。

出産、子育ての中で、
伸ばし伸ばしになっていた、
念願の挙式とパーティーは、
和やかで、落ち着いたものになった。

お客様をお送りした後、
会場のスタッフさんが、
「宜しかったら最後にお二人で、ベランダで撮影されませんか」
と勧めてくださった。
そのことに今でも感謝している。
窓の外は、12月の夜景が広がっていた。

ああこれは、
「銀河鉄道の夜」だなと思いながらシャッターを切った。
「ドレスは他で決めてしまった。Siestaのヘアメイクだけでもお願いできませんか?」
というメールを、しばしば頂いていますが、
今まで、全てお断りいたしてきました。
当社のスペースに余裕がなく、
ドレス発注のお客様のスケジュール決めに支障を来たすからです。

がしかし、
このたび少々のスペースを確保しました。
ヘアメイクのみでも、お受けできそうです。
来年度挙式のお客様より、
ヘアメイクのみでもお受けいたします。
詳細は後程HP上で正式に告知しますが、
まずはこの欄でご一報いたします。
昨年11月25日
Shizueさまの挙式の撮影に行った。
朝から

木戸口さんのゴットハンドは全開していた。
渋いブーケは

オルテンシア・アズールさんである。
朝日に映えるレース刺繍

ドレス、ヴェール、チョーカー、ブーケ、髪形、
全てが絡み合う濃密な世界

ホテルから会場に移動して、
丁寧にセットしたヴェールを、

整えて挙式へ

挙式後撮影したあと、
ヘッドチェンジして

披露宴である。
が、この日私はネクタイをしていなかったため、
披露宴会場へ入ることが出来なかった。無念である。
新郎の職業は美容師さんで、
新婦さんは元来常連客さんでした。
カットしてもらうため何年も通い続けて、その結果のゴールインである。
だから出席者はみんな美容師さん。
皆カメラを持ち出して、
花嫁の髪をパチパチ撮影していたそうである。
プロにそこまで注目される木戸口さん

上機嫌である

さらに又髪を変えてお色直し。


パーティーが終われば、
辺りは、夜。

お母様のショールを身にまとって、

ホテルに帰られた。
この時の木戸口さんの仕事、
素晴らしくて今も語り草になっているが、
木戸口さんに聞くと、
「あれはカットも上手いのよ」
という。
「前髪や顔周りのカットの具合が良くないと、
上手く髪はいじれないの。
Shizueさんは本当に上手にカットしていたから、自由に出来たの。
あれはご主人、腕がいいのね」
そんなわけで、
挙式前の髪カットでお困りの方は、
Shizueご主人にご相談くださいませ。
メール宛先は
liberty-cutman_oto3_10204874@docomo.ne.jp
まで。
名前は乙部さんと言います。
料金、所在位置等の問合せにはSiestaでは応えかねますので、
直接ご連絡下さい。
現在ドレス製作中の花嫁で、日本史の専門家の方からメールいただきました。
*****
今日、西多摩地方の花嫁衣裳について調べました。
何の模様もない、紋付だけの黒一色の着物に、白の下着をあわせ、
華やかな帯をしていたようです。昭和20年代の初めまで続いていました。
これを「ひっかえし」とこの地方では呼ぶそうです。
この着物、今でいえば、喪服、ですが、西多摩では下に着た白の下着
が、喪服になったそうです。
つまり今とは発想が逆で、昔は白の着物が喪服だったんですね。
西洋の色の考え方で変わったのでしょうか。
ちょうど今話題の靖国神社ですが、戦争が終わって、西多摩の人も
靖国にお参りするときに、東京の人たちは黒で参る、ということで、
結婚の時に使ったこの「ひっかえし」を着て、行ったそうです。
今度写真のコピーお持ちしますね。
ほんとは茂桐さんのブログに書き込もうと思ったんですが、「喪」と言う
言葉が出たらご迷惑かと思って、メールにいたしました。
*****
有難うございます。
参考になりました。
他参考としては
http://u-b.jp/yomimono/konrei/konrei_6/konrei_6.html
とか
http://www.koganji.net/mt/archives/000161.html
とかあります。
ようするに、
神の前で愛を誓うという儀式も、
白服で挙式に臨むということも全て、
文明開化の産物なわけですね。
少し昔の写真ですが、

などは、
西洋の白ドレス、の影響を受けた和服の白無垢、の影響を受けた白ドレス、であります。
Chizuさんらしい、バッグと、

服とで

下に書いた文章だが、
「留袖ではなく振袖である」
とのご指摘をいただいた。
確かにそうである。
どう見てもわたしの早とちりである。
松苗さんの名誉のために謹んで訂正させていただきます。
上垣さんは技術が高いから、

どんなシーンでも難なく絵にしてしまう。

でも私の見解では、上垣さんの心の絵は、

「シーン」という、音が聞こえるほど

静かで、瞑想的な情景ではないかと思っている。

よくご一緒させていただいている、
ヌーヴォ所属のヘアメイク栢木さんだが、
http://www.intel.co.jp/jp/personal/do_more/digital_home/life/05.htm
Intel入ってるようである。
ページの一番下からは動画も見れる。
普段の栢木さんに比べて、推定15%程度上品にしゃべってる。

Siestaで「御大(おんたい)」と言えば、
アクセサリーデザイナー、溝部理子さんのことである。
彼女は実質上Siestaデザイナーのデザインの師匠である。
ここで「実質上」と表現しているのは、
別に彼女に弟子入りしたことはないからである。
教育は主に、アクセサリーの受注打ち合わせの形で行われた。
それは、世にも恐ろしい打ち合わせであった。
発注者よりも受注者のほうが偉いのである。
「なにそのダサいデザイン」
「さっき言ったことと違うわよ!」
「・・これが緑? 誰がどう見たって青じゃない、
あなた白色のことしか分かってないんじゃないの?」
「ちょっとまって、もしかしてあなた、
この花嫁のコンセプトがはっきり決まってないんじゃないの?
そんなんじゃアクセサリー作れないわよ!」
「あら、もう2時間もかかってる。
どうして2時間かけて全然打ち合わせが進まないのよ!」
ここまで偉そうな人物となぜお付き合いを続けてきたのかと、
疑問に思われる方もいるであろう。
私もそう思う。
しかし仕方がないのである。
天才だからである。

天才ということば、
えらく安易に流通しているが、
実際どんな雑誌を見ても、
溝部さん水準のデザインのアクセサリーは、
現代の作家では、お目にかかったことがない。
匹敵できるのは、
ビザンツやハプスブルクやらロマノフやらの、
王朝の遺宝くらいであろう。
それほどの偉人であるから
Siestaでも溝部さんの宣伝を大々的にするべきなのだが、
残念ながら出来ない。
本人からストップがかかっているのである。
「写真をネットに載せないで、真似されるから」
そんなわけで、彼女は依然として「知られざる天才」のままである。
一応ショップの紹介はしておく。

ご来店の前に電話して、
店が開いているかどうか確かめる必要がある。
溝部さん本人が居るかどうかは全くの運である。
ちなみに、
溝部さんにお会いしたSiestaの花嫁は皆、
「素敵な方だった・・」と感激しているようなのだが、
全ての人が同じ感想を抱くという保障は、いたしかねます。
こちらの3人

ブーケ、会場装花をされた、
ボタニーク中田先生とスタッフの皆さんです。
レインコートの色まで考える、うーん。
これほどまでの完璧主義者ですので、
中田先生は、良い花材の入らない時期は、
いくらお願いしても仕事を請けてくださいません。
発注の際は前もってご確認下さい。
この日は昔コラムでも触れた、台風の日でしたが、
中田先生の会場装花物凄く、
ICUの教会内に居ながら、森の中に居る気分になりました。
花嫁が興奮されて「会場装花が素晴らしいから、写真を沢山撮ってください」
とひろこさんに言っていたのを思い出します。
その花嫁、アップする直前にお聞きすることがあり、メール差し上げた所、
無事懐妊されたのとお知らせがありました。
おめでたいことです。
今回のNokoさんの一連の写真、
なにがなんだかわかりにくいので、
以下説明しますと、
上垣さんが結婚されると聞いて、ドレスを作る事になったのだが、
どうしてもとおっしゃるので、
やった事の無いパンツドレスになった。
作り始めて後悔した。
なにしろスカートとは勝手が違いすぎる。
物凄く苦労した。
この時点では挙式の予定はなかった。
パーティーだけのはずだった。
突然、正体不明の確信でもって、デザイナーが、
「彼女はそのうち必ず挙式をしたくなる、そしてスカートをはきたくなる」
と予言する。
素直に信じて、極秘裏にスカート作成、
上垣さん自宅の近所の井の頭公園で挙式の計画を練った。
昔Siestaはプロデュースもしていたので、
バージンロードもポールも一応は有る。

もっとも雨が降ったら全てパーだが、
上垣さんは常軌を逸した「晴れ男」である。
「わたし雨女なんですよ」と心配する花嫁の当日を、
ことごとく晴れ上がらしてきた実力をもってすれば、
まあ大丈夫だろうと踏んでいた。
前日撮影用のソファーと、
ポールとバージンロードを上垣さんちに運び込んだ。
当日は人力で公園の中まで運搬である。
その日、予報では大雨だったが、
当日は結局、晴れた。
テレビ局勤務知人のMさんから電話があって、
「明日はかならず降りますよ、ひひひ」
と笑っていた。
が、上垣さんの気合の前に敗れ去った。
ちなみに彼女の所属は気象予報部である。
上垣さんちは場所が分かりづらいので、
カメラマンひろこさんに「Siesta集合で、みんなで行こう」
と伝えておいた。
ところが待てど暮らせど来ない。
と、電話がかかってきて、
「上垣さんちの近くまで来てると思うんですが、道に迷ってしまった」
と言う。人の話を全く聞いていない。
上垣さんちに電話して、ナビしてもらえと伝えた。
メイクは上垣さんちでするので、
そのシーンを撮影するわけだが、
上垣さんも新郎である以前にカメラマンである。
鏡の横から顔を出して一枚撮ろうとするところを、
待ち構えてパチリ、しかし鏡に反射して自分も写ってしまう。
ひろこさんらしい写真を1枚。
絵にならない所に絵を作る。
強引である。

ちなみにトップページは上垣さんの一枚である。
これもそう。
新婦がきちんと納まって、かつピントが合っている。
狂気の技術力である。
ちなみに私の写真はというと、
本人はいけてると思っているのだが、
「くさい」
「やりすぎだ」
と悪評ふんぷんであった。
確かに意味無く傾いている。
花嫁を優しくエスコートするのは、
ヘアメイクの栢木さん。
なにしろこの挙式会場、従業員が居ないから大変である。

公園の挙式は開放的で気持ち良い。
しかし致命的欠点がある。
虫除けスプレーが必要なのである。
Siestaにあるソファに、
適当に布をかぶせて撮影。

雨上がりの井の頭公園は、
幽玄の世界であった。
死ぬほど真剣な表情でセッティングをする平松謙三さん。
ブーケを作ってくれたノロはいつものように平松美加さんをだっこしている
そうこうしていると井の頭公園の管理人さんが来て、
「君たちなにをやっているのかね、許可は取ったのかね」
と言う。
仕方が無いので私ははるか離れた管理人室まで行って許可を取ってきて、
帰ってきたらそろそろ挙式だった。
人前でキスをするのは嫌だというので、
「ではリンゴを齧ろう」という事になったのだが、
意味は未だに理解できていない。
アダムとイブはリンゴを齧ってエデンを追放になったから、
新郎新婦はリンゴを齧って井の頭公園を立ち去る、
ということなのだろうか。

挙式後再び上垣さんちでお色直し。
その後は皆で吉祥寺のフランス料理店「ル・ボン・ヴィボン」でパーティーをしたのだが、
私は2件目の撮影があったので、残念ながら死ぬほど上手いそこの肉料理は食べられなかった。
ちなみに
は挙式前日に撮影したもので、
弥勒菩薩の半跏思推像をイメージしたのだが、あまり似ていない。
実はSiestaは、
デザインの店でもなく、
素材の店でもなく、
ヘアメイクの店でもなく、
アクセサリーの店でもなく、
ブーケの店でもなく、
シルクフラワーの店でもなく、
写真の店でもなく
それらを合わせたトータルコーディネイトの店でもない。
もちろんそれら一つ一つは、
(自慢ではないが)最高レベルなのだけれど、
実は我々が最も誇りに思っているのは、
裁縫技術なのである。
驚愕の裁縫技術という呼び方では生易しすぎる。
それは、恐怖の裁縫技術とでも呼ぶべきものである。
以下その一端をお示しする。
肩紐が欲しくなったのだが、
伸縮性が欲しい。
ゴムひもそのままでも良いのだが、
ドレスの色が薄いピンクの為、合う色のものが無い。
あるいはゴムひもを染めても良いのだが、
ゴムひもを直接肌に当てるのは、当社の思想に反する。
で、ドレスと同じシルクで、ゴムひもカバーを作った。
シルクを裏返して、ゴムひもと同じ太さに細く直線で袋縫いにする。
それも難しいのだが、そこまでは少し上手ければできる。
問題はその先、カバーをひっくりかえす作業である。
なにしろ細い。ひっかかってひっくり返せないのである。
そこで絶対公開できない秘密技を開発して、

ごらんの通り見事ひっくり返して、ゴムひもを通してしまった。
後に見えるのはボールペンです。


これを見てデザイナーは感動の余り泣き出し、
開発者もそれを見て泣き出し、
ある服飾プロがたまたまこのカバーを目にして、
「私も何回もこの技術に挑戦したけど、とうとう成功しなかったのに」
と絶句し、
別のプロはがっくりと首を落として、
「引退します」
と言ったくらいである。
かくいう私も、
一見してその技術の素晴らしさに驚愕し、
同時に私は会計担当だから、
「こんな細かい事やってりゃそれは、採算性はあがらないわさ」
と恐れおののいた、そういう意味でも、
これは驚愕の裁縫技術というより、
恐怖の裁縫技術と呼ぶのが相応しいものなのです、はい。
蓮、さくら、美咲がトップ
今年の赤ちゃん名前調査
男の子は「蓮(れん)」君、女の子は「さくら」「美咲(みさき)」ちゃんが人気トップ
明治安田生命保険は16日、
今年生まれた赤ちゃんの命名数の順位をまとめた「名前調査」の結果を発表した。(共同通信)
******************
という記事を見て、デザイナーが威張る事威張る事。
最近アップした
http://homepage3.nifty.com/siesta-dress/order7.html
のドレス名が「さくら」で、
http://homepage3.nifty.com/siesta-dress/4style8.html
のドレス名が「Lotus」(つまり蓮)だからです。
本人いわく、
「優れたファッションは時代をあらわし、素敵な花嫁衣裳は世代をあらわす」
とのことです。はい、私には意味がさっぱりわかりません。

これらドレスですが、以前の1着でお色直しというのとは異なって、
「さくら」のときは白ドレス(モナリザ)をリフォーム、
色ドレス(さくら)をオーダーレンタル
「Lotus」のときは同一パターンで色と白を作成しました。
以前はアトリエの生産能力が低かった為、
1着で色々お色直しをしていましたが、
(それはそれでよいものですが)
当日の着せ替えが殺人的に大変になりました。
BC4人という時もあったっけ・・・・ほとんど歌舞伎の早変わりでした。
が、アトリエの生産能力が結構上がって、
(それでもよそ様に比べたら、お話にならないペースですが)、
同一パターンならば、
2着作った方がBC代考えれば安いくらいになりました。
当日のスケジュールもこちらの方が楽になります。
もっとも「気に入った1着をずっと着続けていたい」という方は、
その旨おしゃってくだされば、もちろん対応できます。
こういうお色直し文化は、
「新生児の命名」といっしょで流行すたりがありまして、
今でも地方では、一日で
白無垢→白ドレス→振袖→色ドレス
と4着こなしたりします。
ほぼ一日着替えていて、
着替えの合間にちょろっとパーティーがある、といった感じですね。
都会にゆくにつれ、かつ時代が進むにつれ、
お色直しは徐々に小規模になってゆくのですが、
それでも女性の招待客は、
派手な演出を期待してご祝儀を出している部分があるようで、
少しはやらなきゃいけないもの、らしいです。
ちなみに「美咲(みさき)」というドレスは、
製作しておりませんし、製作予定もありません。
HP更新が相次いで、流石に疲れている。秋の間に忙しすぎて、ノルマをこなせなかったからである。
こういうHPはリアルタイムで更新するのがベストなのだが、以前実時間とは半年以上の開きがある。
少々焦る。
今回の「さくら」は不肖わたくしの写真をトップに使わせていただきました。
あまり誉められる事の無い毎日ですが、この写真だけはえらく頻繁に誉められます。
なにがそんなによいか、実は自分ではよく分かっていないのですが。
この日いっしょに撮影に入ったひろこ女史にも、めずらしく「これは凄い」とお褒めの言葉を頂きました。
が、私の見るところ私以上にひろこさんは、自分の写真の良さをあまり理解していないようです。
上垣さんや私が誉める写真に限って、あまり自分では評価していなようですから。
以下2枚、本人いわく「たまたまですよ」の写真、かつ上垣さんも私も大好きな写真です。


本人がわからないのだから、私にひろこさんの写真の解説ができるわけはないのですが、
あえて彼女の写真のよさを言葉にしてみると、、、、
たとえばこの、ひろこさんの写真も、

右上から左下の対角線上に、きれいに顔とブ^-ケが配置されています。
その点に注意しながら彼女の写真を眺めると、
中心線と対角線が、どの写真でも非常に強く、かつ精度高く意識されています。
多分彼女は、空間認識能力が高いのでしょう。
そういえば彼女に、笑いながら批評されたことがあります。
「だって茂桐さんの写真、意味なく傾いているでしょう」
日曜日挙式の撮影があった。
あいにくの雨だった。晴れの方が良いに変わりはない。
しかし残念がる新郎新婦を見ていると、「師範」のように言ってみたくなる。
「師範」とは、さるお客様のご親戚で、無論お名前は別にある。
私が勝手にそう呼んでいるだけである。
「師範」は御年六十歳くらい、しかし空手の大家で、
高校生のときの私よりも動きは敏捷である。
パワーと迫力は無論、言うに及ばず。
「師範」、新郎新婦に向かって正座し、マイクをつかんで曰く、
「晴れてよし、曇りてもよし、富士の山」
どうせ色んな事がある。楽しいばかりではない。
だがそれら一切合財含めて、大きく肯定できる、そんな存在であれかし。
という意味だと思うのだが、
これは一筋に道を歩んできた師範が言うから説得力があるのであって、
どうせ私が言っても、説得力は皆無である。
だから残念がる新郎新婦に、伝えたくも伝えられない、
そんな日曜日だった。
私は崇高とも言えるほど、字が下手である。
「汚くて読めない」と、文句をしょっちゅう言われている。
たまに腹を立てて言い返す。
「書いた本人でさえ読めないのだ、あなたごときに読めるはずがない、身の程を知れ」と。
対してSiestaデザイナーは字が上手いらしい。
幼少の頃は習字の先生に大いに将来を嘱望されたそうだが、
あっさり止めてしまったらしい。
普段は十分汚い字を書いて、
「気合さえ入れば上手に書ける。が、今は忙しいので気合が入らない」
としょっちゅう言い訳をしている。
そんなわけで書道家としては大成しなかったようだが、
「字を見て人柄を判断する」という、
怪しげな特技はあるようである。
昔、野村克也氏の書を拝見させていただいたことがあったらしく、
「物凄く上手な字。
こう書けば必ずみんなから評価される、そんな字を、
意図的に完璧に書かれていた」
と論評していた。
誉めているのか貶しているのかは不明です。
あと、建物の中に掲げてある字を見て突然、
「いい字ねえ、本当に自由に書いている。誰の字だろう」
と言い出したことが有った。
私が近寄って確認してみると、坂本竜馬の書であった。
野球も歴史もわからないくせに、これほど判断できるとは。
「・・これは使える」
歴史オタの血が騒いだ。
ネットで明治維新関連の書を探し出して、
プリントして、大先生のご判断を仰いだ。
以下それが誰のものかは教えずに、
ただ書を見せて、どんな性格の人と感じるかを聞いたものである。
「本当は1つのことをするべき人なのだけれども、
優れているから、ついつい2つのことをしてしまう人」
(・・山岡鉄舟)
「とにかく運の強い人。器以前に、運が強い。
神様がスポットライトを当てている感じ。
自分がそういった、選ばれた人だということを、
本人も十分自覚している」
(・・伊藤博文)
「根気のいい人。
偏執狂的ではないが、あきらめずに粘り強く物事に取り組める人」
(・・山県有朋)
「女性的な人。外に居るより、家の中にいる人」
(・・木戸孝允)
「職人的。それも焼き物のような小さなものではなく、
もっと大きなものを職人的に作り上げてゆく人。
後に物を残す人」
(・・大久保利通)
「色々選択肢はあるのに、
1つのことに突き進んで、それと運命を共にしてしまう人。
悲しい人」
(・・西郷隆盛)
「物凄くきれいな字。この人が一番きれい。
種のような人。本人は花を咲かせないけれど、
この人に続く人が花を咲かせる、そんな人。
オスカルに一番近い」
(・・板垣退助)
最後の一文は私には理解不能でした。
以上女性にとってはなにやらわけのわかんない話でしょうが、
(デザイナーも、彼らの歴史的事跡は全く知らないようです)
なかなか面白い見識だと思い、コラムに掲載した次第です。
画像はその板垣の書。
http://cork.wul.waseda.ac.jp/kosho/i14/i14_b0103_4/i14_b0103_4.jpg
より。
「ラストサムライ」のDVDを借りてきて見た。
面白かった。いろんな意味で。
モデルは西郷隆盛かと思われる。
明治帝は西郷が好きだったから、西南戦争で賊軍の汚名を着せられたのを残念に思っていたそうである。
だから、(反政府活動の首謀者にもかかわらず)、上野駅には西郷の銅像がある。
明治天皇の意思によるものである。
ある日本在住の外国人が、「この映画を見れば日本人がわかる」と言ったそうである。
そのことを思いながら見ていると、なるほど日本人の特徴が良く出ているかもしれない、という気がしてくる。
あまりにも当たり前すぎて、そのことは普段忘れているのだけれど。
全身蜂の巣になった渡辺謙が、血まみれになりながら、散りゆく美しい桜を見て、
「パーフェクト」と言う。
日本人にとっては「定番」なのだが、結構奇妙である。

桜が美しい、生死の境においても桜の美しさに価値がある、というのは、普通男性の価値観ではない。誤解を恐れずに言えば、極めて女々しい、女性的な価値観である。少々鎧兜を身に着け、刀を振り回しながら、花の美を称揚する、これは結構変態的といえるかもしれない、倒錯の世界である。
ところが変なことに、日本人男性の多くは、それを変なこととは思っていないし、私自身も思っていない。かっこいい、男らしいことだと思い込んでいるのである。
今日(というか日付は昨日になってりまったが)、やっとホームページをリニューアルできた。数日間、パソコンにかじりついてようやく出来た。新規更新分以外全てを作っておき、最後にminakoさんの写真を掲載し、アップロードした。
昨年の9月23日も、今日と同じように、晴れすぎるほど晴れた、暑い日だった。「ドレス製作過程」を作成するために、彼女の写真は、通常のお客様の5倍くらい撮影してきた。だからお式当日は上垣さんにおまかせして、もう全く撮らないつもりだったのだが、人がカメラを構えているのをみると、なんだかむずむずしてきて、結局上垣さんのデジカメをお借りして、何枚か下手な写真を撮った。
披露宴が終わり、二次会の準備のためにホテルに行き、木戸口さんがお色直しをしているのを横から撮影しながら、「Kさんの写真は物凄くたくさん撮ってきましたけど、これが最後ですね」というと、Kさんは、「茂桐さん、やっと私の撮影から開放されますね」と言って、ニヤリと笑った。

いやそういうつもりではなく、私は実は少年じみた感慨に浸っていたのだけれど、その時の空気の匂い、気温の暑さ、シャツの汗ばんだ感触まで、ホームページを作り、写真を整理しながら、まるで昨日の事のように、つい今しがたの事のように、まざまざと思いおこされ、めまいに似た感覚を覚えた。
結婚式がシエスタの最中に見る白昼夢ではなく、実は日常生活こそが白昼夢であり、結婚式のような「ハレ」の時間のほうこそ根源的なリアルであるかのように、その日の記憶は強く、濃く、色あせない。
別の花嫁のことだが、お式の翌日に、事務所近辺で偶然お会いしたことが合った。普段着の彼女を見た瞬間、ドレス姿の昨日の彼女の喜怒哀楽の表情が、走馬灯のように眼前を駆け巡った。結婚式の時間は普通の時間と全く違うと、そのとき初めて認識できた。例えて言えば、幼いころのお正月のような時間である。江戸時代の人物ならば、大人になってもそんなお正月を体験できたであろうが、元旦からコンビニが営業している現代では、もうそんな体験を出来るのは、幼児と、結婚式に参加した人間だけだ。
その時間は、抽象的な表現しかできなくてもどかしいのだが、「永遠の現在」というか、「一日限りの永遠」というか、日常生活では時間は刻々と経過してゆくのだが、その特定瞬間のみはそれらとは別に存在していて、周りの時間の運行との相互作用を持っていない、そんな感じだ。
物を上に放り投げてると、それは徐々にスピードを減じてゆき、やがて死点に達する。瞬間、運動が止まるのだ。そうして物体は今度は落下を開始するが、その静止した瞬間があまりにも短いとしても、理念上はその瞬間は存在するし、その瞬間の近似値を体験することもできる。それが「ハレ」の時間である。
ホテルの一室で汗みどろになりながら、その日その瞬間、Kさんの撮影という作業は終わり、写真の編集という作業が始まったのだが、圧倒的に長いはずの前後の作業の記憶は薄く、ただ死点の記憶のみ濃い。
状況を説明しましょう。
花嫁の前後に、2枚の鏡がありました。
全身が写る大きな鏡が前に、
小さな鏡(つまり写真に写っている鏡)が後ろにありました。
上垣さんは、
大きな鏡に写っている花嫁の姿を写しました。
その際、
1、構図がしっかり決まっていて、
2、なおかつ後ろの小さな鏡に写っている花嫁の後頭部も見える位置で、
3、なおかつ後ろの小さな鏡に写っている花嫁の顔も見える位置に、
ポジションを取りました。
後ろの小さな鏡に写っている花嫁の後頭部は、
はじめ小さな後ろの鏡にうつり、
その反射が大きな前の鏡に写って、
カメラのレンズに到達しています。
つまり2回反射しています。
後ろの小さな鏡に写っている花嫁の顔は、
初め大きな前の鏡に写り、
その反射が後ろの小さな後ろの鏡に写って、
さらにその反射が前の大きな鏡に写り、
カメラのレンズに到達しています。
つまり3回反射しています。
この写真の雰囲気は、
全体が大きな鏡の中にあるところにありまして、
反射回数とは関係はないのですが、
それでもこの絶妙のポジションを見つけて実際取るところが、
私が唸ったところです。
当店の写真家はウェディングドレスと調和した写真を撮影するのが得意ですが、
それはある意味当り前です。
ドレスショップなのですから。
それだけではなく純粋に写真として面白いものも撮れます、といいたくて、
長々と書きました。
当店にとってお客様は花嫁ですが、
花嫁(あるいは花婿)にとってのお客様は列席者です。
当店がどの程度お客様によくできているか、自分たちではわからないのですが、
新郎新婦もどの程度お客様によくできているのか、
自分たちではあまりわかっていないのではないでしょうか。
だいたい、男性と女性では考え方が全く違います。
女性の列席者は多かれ少なかれ、きれいな花嫁姿を見に来ます。
着物やウェディングドレスがきれいであれば、
ご祝儀分の体験はできたと、満足するようです。
では男性はどう思うか。
男性だってドレスを着たきれいな女性を見るのは嫌いではないですが、
同時に綺麗であればあるほど、
「なんでこんなきれいな人を、奴め許せん」
となりますので、複雑なものがあるわけです。
そんな男性列席者にとってなにより重要なのは、
料理、特に肉系の安定供給にあります。
男性はたんぱく質の摂取が不十分ですと、
結構不満が残ります。
若い男性が多い場合には、
質はともかく量は十分用意したほうが良いかと思います。
でもそれより大事なのは、やはり新郎新婦の気持ちですね。
以下は男性の方が十分良く認識しており、
女性はしばしばそのことを忘れがちになることなのですが・・・
新郎新婦は別に、「主役」ではありません。
結婚式は、舞台でもなければ映画でもありません。
結婚式・披露宴というものはあれは、
「至らない私たちですが、どうか今後サポートお願いいたします」
と頭を下げる行事であって、
「主役」というより「ホスト役」ですね。
ですので私なんかは、お客様にデザートやお茶をサーブしたりすることに一生懸命になる新郎新婦を見ると、
大変いい気分になります。
・・・なんか爺の説教じみてきたのでここまでとします。
さる在日朝鮮人の方のドレスを作っていたときのこと。
清水が言い出す。
「昨日夢を見た。李朝の服を着たお婆さんが、こんこんと民族服の説明をしてくれた。
おそらくご先祖さまだろう」
さる花嫁、お母様がなくなっている方のドレスを作っているときのこと。
「どうも素材調達でハプニングが多い。ひょっとしたはずみで決定的な素材が出てくる。
お母様が探してくれているのではないか」
オカルト的な話ですが、別に特定宗教にはまっているわけではありませんので、ご安心を。
結婚を引きとどめるのは父親ですが、後押しするのは母親やおばあさんなど、
女性の尊属です。
実際ドレスが上手くできて、一番喜んでくれるのは花嫁の母親ですしね。
この仕事をやっていると、
結婚するのはいったい誰なのか、と時々思います。
無論本人は「自分が結婚しているのだ」と思っているでしょうが、
母から娘へ、娘から孫娘へと、
母系の生命の流れのようなものが最初にあり、
結婚はその流れの中のひとつのイベントに過ぎないような気もします。
よく「早く結婚しろ」とせかされて、圧迫されて苦しいという女性がいますが、
彼女を圧迫しているのは親やら世間やらではなく、
生命の流れそのものなのではないでしょうか。
男性だって結婚しなきゃいけない。
でもせかされても、苦しくはないですから。うざくはあっても。
その男性はというと、あくまで流れの外の傍観者でして、
大いなる流れの中に入ることはできない。
で、仕方がないから家系図なんかを作って女性に対抗するのです。
家系図というものが、通常父系を書き記すのは、そういう理屈なのではないか。
実家の着物を取り出してみたときのこと。
襦袢の背中、つまり決して見えない部分に、
大きく派手な竜の刺繍がしてあった。
ああ、これが日本文化かと思った。
先日行った結婚式。
ご主人は優しく、控えめな方。
しかし来賓の挨拶では、
その仕事っぷりを絶賛されていた。
二次会にも膨大な数の友人が駆けつける。
どうやら慶事のヨイショではなく、
本当に有能であるようである。
もちろん、優しいだけの人物が、仕事が出来るはずがなく、
友人を沢山集められるはずもない。
通常HP掲載の画像は原則としてPhoto Siesta撮影のものに限っています。
が、今回アップしましたのみは例外です。
現地カメラマンの撮影分と、アトリエでの茂桐撮影分を掲載しています。
ご覧になられて分かる通り、
このドレスはHPに掲載されているSiestaのドレスたちとは、
かなり趣を異にします。
当店は良くも悪くも甘味料過剰の味付けが基本ですが、
このドレスは、シンプルでシャープです。
そうなったのは、
ブライズコーディネイト(着付け係)が帯同できないからでもありますが、
花嫁自身のパーソナリティのゆえでもあります。
彼女は建築士の卵でした。
女性にはめずらしく、理系的、構築的な頭脳を持っていました。
ただそれだけでしたら、多くの男性と同じですから、
わざわざドレスを作ろうとは思わなかったと思いますが、
一方で普段着られている服からも
(私から見て)独特の美意識が感じられました。
建築とはそういうものですね。
芸術でもあり、工業でもある。
方針の決定までは、えらく難渋しました。
普段とは違う芸風が必要とされたからです。
彼女自身はドカンと全て任せて下さったのですが、
(そうしてそういう方ほど大抵結果が良いのですが)、
慣れないことは時間がかかります。
ああでもない、こうでもないと、
スタッフ全員で紛糾に紛糾を重ねて、
最終的にご覧になられているようなカタチになりました。
実際、ドレス作りはそんなものです。
デザイナーといえども、半分しか作れないのです。
残り半分は、花嫁自身が作ります。