カテゴリー「プロセス「未開紅(みかいこう)」」の4件の記事

2013年5月16日 (木)

4:羽開地(はねひらくち)

海から上がったようなAyanoさんの黒髪に冬の菊の花を飾って。

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「陰暦正月の元旦
 群卿百寮の朝賀と共に長安の春は暦の上に立つけれども
 元宵観燈の頃までは大唐の都の春色もまだ浅い」

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「立春の後約十五日、節は雨水に入って菜の花が咲き、杏花が咲き
 李花が綻ぶ頃となって花信の風も漸く暖く

 啓蟄に至って一候桃花、二候棣棠、三候薔薇」

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春の陽に大地が温まり、草木が芽吹くのと同時に
冬眠していた虫が穴から出てくる啓蟄(けいちつ)を過ぎ、

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美しい蝶々になって空に飛び立ってゆくように、蝶や鳥の羽根は、
海から陸に上がった人魚、遠くさかなのヒレをも思い起こさせます。

「春分に及んで一候海棠、三候木欄と

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 次々に種々の花木が撩乱を競う時に至って帝城の春は日に酣に
 香ぐはしい華の息吹が東西両街一百十坊の空を籠めて渭水の流も霞に沈み

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 終南の山の裾には陽炎が立つ」

古来尽く属す紅楼の女(ひと)、
それは東洋に古来から伝わる太陽の女神、

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家家楼上、花の如(ごと)き人。

徳島で晴れの日を迎え花嫁となられたAyanoさんが
お式後にお送り下さったお二人の写真を最後に飾って。

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2013年5月13日 (月)

3:未開紅(みかいこう)

立春の前約十五日、まだ冬のさなかでのAyanoさんのお式。
春らしい色合いの花々の中で、ひ紫色のリューココリーネが主役です。

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死の世界に向かってゆくような、この海底の絵が中でも一番お好きとのこと。
果敢に水底に向かってゆく人魚姫は、Ayanoさんその人であるように思えました。

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その先に何があるか分からなくてももしかして何も無いかもしれなくとも、
蕾の殻を破って咲かんとしたり暗闇の中で生を予感しようとしてみたり、

花の蕾や水の中の世界というのは、結婚前の女性の心境や立場にも通じているようです。

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絵の人魚が手に持つ白い卵を、胸元の刺繍素材でつくった額にかかるヘッドドレスの中央に、
刺繍ラインとスパンコールはオクトパスの手足と吸盤のようにも、水泡のようにも見えてきます。

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ドレス切り替えの中央に咲く、水面の花に向かってのぼるように施した
スカートの白と金レース刺繍は、水上から差す陽を目指すように仕上げました。

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ずっと以前に見せていただいた、Ayanoさんのお着物のお写真の柄の
紅白の鶴が空に飛ぶ様に見習って、海中に咲き上がる花のつるを表しました。

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「未開紅(みかいこう)」という和菓子が一番お好きといわれたAyanoさんのご実家は、
和菓子店を営まれています。彼女のご出自をドレスの名前にさせていただきました。

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四国徳島の海と空を思いながらコーディネートや装飾を重ねて、
次回は「羽開地(はねひらくち)」、陽の光で羽根が花びらに変わる時のことです。


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2013年5月 2日 (木)

2:未開白(みかいはく)

春を迎える前の季節のお式の日だからこそ
Ayanoさんのドレスに春の花開く様を描けたらと、

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本格的な春の到来、お彼岸、春分の頃を思いながら、
優しい金、薄黄の色を白地のドレス、ヘッドドレスに挿して

エドマンド・デュラックのこの草木花の絵のように
切り替えライン刺繍をしてほしいと日香さんにオーダー、

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優しい日の光と同時に、水の中も表現できるよう、
蓮の花を胸元中央にモチーフ刺繍をしてもらうことに。

デュラックの絵を集めた日香さんのピンを見ながら考えました。
http://pinterest.com/mukainichika/edmund-dulac/

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ドレスの切り替え線に梅の花の蕾の小枝のようなラインを描いて、
虹(オーロラ)色に光る白や透明な素材に黄色を挿してゆこうと、

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春の日の光を夢見て生まれてくる固い花の蕾やなぎさの蝶を思いながら、
今は未だでもやがて来る晴れの日に向かって私たちは製作を始めました。

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2013年4月27日 (土)

1:花開地(はなひらくち)

春を迎える前に桜の花の散ってしまったような
今年の春先、まだ梅の花の蕾の開かない頃に、

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「未開紅(みかいこう)」と名づけたドレスを、
四国の徳島からお通いいただいたAyanoさんにおつくりしました。

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エドマンド・デュラックの海中の絵、人魚姫の描かれた絵を、
イメージにされたいとAyanoさんは最初におっしゃられました。

こちらも同じくデュラックの絵です。
愛する人のため水面に現れた人魚姫。

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海と天の境でもあり繋ぎもしている水面に咲く蓮の花を
胸元に刺繍をして据え、頭、髪には、菊の花々を飾りました。

デュラックの数枚の絵と共に、現在と過去、未来と現在を思いながら。
お正月、新しい年を迎えたばかりの頃のことでした。

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梅の花の蕾のカタチをした「未開紅(みかいこう)」
という和菓子が一番好きといわれるAyanoさんは、

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桜の花より以前の、梅の花の咲く、まだその前の雪の季節、
冬と春の最初の境目の季節を、その晴れの日に選ばれました。

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