人生の花
Siestaでは花嫁一人ひとりに合わせて、パターンを作成し、仮縫いをします。
世界でひとつだけの、一人の花嫁のために生まれてくるドレス。
その役割を終えた姿は、花のように、はかなく感じられます。
結婚式のために咲き開くドレスをまとって、人生最良の日を迎える花嫁は、まさに「人生の花」です。
このブログのタイトルのSpringtime of Life。
この名前は、100年以上も前に描かれた絵からいただきました。
上村松園と言う女流画家が描いた「人生の花」。
英名を”Springtime of Life(Bride)”といいます。
http://www.meito.hayatele.co.jp/
所蔵作品紹介
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/calendar/2004-2005/index.html
主催展・共催展案内[2004.4.4-2005.3]京都 秋の芸術文化月間 特別展「新説・京美人」
私がこの絵を初めて見たのは子どもの時でした。
家にあった画集でこれを見たときの感動は今でも忘れられません。
昨今まさに、黒引き振袖は花嫁の心をとらえていますが、私が子どもの時(昭和後期)には和装といえば白無垢や色打掛が一般的で、黒引き振袖は見たこともない花嫁衣裳でした。
その絵の、黒い衣装から引き立つ花嫁の白い肌や、角隠しに透かされた赤い布。
何よりも、花嫁のはじらいと共に伝わってくる不安や決意のようなもの。
音のない世界でありながら、映画のように語り掛けてくる一幅の絵は、「こんな花嫁になりたい」という憧れを抱かせるには十分なものでした。
松園は、この絵と同じ構図で「花ざかり」という絵を描いています(現在は焼失)。
松園が「花ざかり」を描くきっかけになったのは、知人の嫁入りの際、その手先の器用さを買われて、着付けなどの手伝いを頼まれたことでした。
「花こうがい、櫛、かんざし、あげ帽子など、花嫁の姿をスケッチし、付添いの母の、前に結ぶ帯までスケッチしたのがあとで役立ったのでした」と松園は語っています。
ほぼ同時期に描かれた「人生の花」も同じ環境の中で生まれたものだと考えられています。
Siestaの、花嫁を見つめる視線と同じものの中で生まれた作品。
私がSiestaのホームページの花嫁たちを見たときに、子どもの頃に感じたのと同じ憧れを抱いたのは、「人生の花」の花嫁と同じものを感じたからかもしれません。
この写真は、花嫁の美しさが、凝縮された一枚。まさに「人生の花」。
松園の「人生の花」は、名都美術館と京都市美術館に所蔵されています。
参考文献:『現代日本美人画全集 第一巻 上村松園』(1979年・集英社)
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