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2006年10月 1日 (日)

守りの力

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秋になり、早くも七五三の晴れ着を着て歩いている親子を見つけました。
子どもへの犯罪が懸念される現在、子どもの写真をホームページなどに載せることは、万が一の事に繋がりかねないと、小学校や幼稚園のホームページではセキュリティが張られ、子どもの顔にはボカシが入るなど、なんとも不自然なことがあたりまえになってしまいました。
私が見たその七五三の親子。
お母さんが晴れの日に、なぜその着物を子どもに着せているのか、という本来のお気持ちを大切にし、写真を撮らせて頂く事は遠慮しました。
実はお母さんの手に引かれていたその子の背に、私が探していたものがあったのです。

それは背守りといって、子どもを魔物から守るために大人がつけるものです。
戦争の時の、千人針(多くの女性に赤い糸で玉結びを作ってもらい、お守りとして戦地へ持っていくもの)でも思い出されるように、昔から針や女性には特別な力があると信じられてきました。
針の力で子どもを守るために作られた、背の守り。
子どもの着物にはそんな守りが施されているものがあります。

子どもの体は小さく、大人の着物のように、背中に縫い目がありません。
縫い合わさずとも一枚の布で着物が作れてしまうからです。
すると、魔物が入ってくる、無防備なその背には針の力が働きません。
そこでつけられたのが、背守りでした。
それは飾り糸であったり、家紋やおめでたい文様の刺繍であったり、押し絵であったり、とさまざまです。

医学的に言っても、子どもはとてもはかない存在だそうです。
人間は20人子どもが産める作りになっているそうです。
でも、その中で10人が生まれてくることができ。
さらに、その中で親となれる年齢に達するのは2人しかいません。
本来の、動物としての人間は、それほどはかないものだったのです。
今のように、衛生状態や医療が整っていないとき、日本もそうした環境でした。

だから七五三で、三歳、五歳、七歳、と危ない年齢を超えたことをお祝いし。
七歳までは神のうち、といって大人は必死になって守ったのです。
境界の世界にいる子どもたちを。

「花嫁は二度死ぬ」で書いたように、花嫁もまた境界に存在しています。
美しい白無垢姿の胸元には、魔物から身を守る懐剣が忍ばされています。
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Siestaのドレスには、そうした境界の人への。
特別な日を迎えて生まれなおす、産着としての背の守りが。
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懐剣の代わりには、一針一針縫い付けられた守り石が。
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もう一度、無事に生まれておいで、と。
縫い付けられているように思えてならないのです。    

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