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2004年4月

写真の中身・3

状況を説明しましょう。
花嫁の前後に、2枚の鏡がありました。
全身が写る大きな鏡が前に、
小さな鏡(つまり写真に写っている鏡)が後ろにありました。

上垣さんは、
大きな鏡に写っている花嫁の姿を写しました。
その際、
1、構図がしっかり決まっていて、
2、なおかつ後ろの小さな鏡に写っている花嫁の後頭部も見える位置で、
3、なおかつ後ろの小さな鏡に写っている花嫁の顔も見える位置に、
ポジションを取りました。

後ろの小さな鏡に写っている花嫁の後頭部は、
はじめ小さな後ろの鏡にうつり、
その反射が大きな前の鏡に写って、
カメラのレンズに到達しています。
つまり2回反射しています。

後ろの小さな鏡に写っている花嫁の顔は、
初め大きな前の鏡に写り、
その反射が後ろの小さな後ろの鏡に写って、
さらにその反射が前の大きな鏡に写り、
カメラのレンズに到達しています。
つまり3回反射しています。

この写真の雰囲気は、
全体が大きな鏡の中にあるところにありまして、
反射回数とは関係はないのですが、
それでもこの絶妙のポジションを見つけて実際取るところが、
私が唸ったところです。

当店の写真家はウェディングドレスと調和した写真を撮影するのが得意ですが、
それはある意味当り前です。
ドレスショップなのですから。
それだけではなく純粋に写真として面白いものも撮れます、といいたくて、
長々と書きました。

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写真の中身・2

背後の鏡の部分を拡大してみましょう。

nobue061.jpg

花嫁が写っていますが、なぜか顔がこちらを向いていますね。
こういう場合、普通後頭部が写るはずです。
(そう考えて見てみれば、その右横に花嫁の後頭部らしきヴェールが見えます。
つまり鏡の中に花嫁が、二人写っている)

本人の後ろにある鏡に、顔が写っている。
これはいったいどういうことでしょうか。

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写真の中身・1

こちらの写真、大変好評なショットでした。

nobue06.jpg

上垣さんとしても良く撮れた1枚かと思いますし、
みなさんなんとなく良いと思われているようですが、
どこがどう良いと指摘された方は未見です。
結構わかりにくい写真なのです。

1、構図が良い
・・・・確かに鏡の位置が絶妙ですね。
2、ウェディングドレスとブーケが調和している
・・・・確かにこの時のブーケは凄かった。今でも強く印象に残っています。
3、椅子の赤色が映えている
・・・・実際映えていますね。

でもこの写真の雰囲気には、今ひとつ秘密があります。
全体が柔らかい光に包まれていて、
でもソフトフォーカスはかかっておらず、
ピントはしっかり合っている。

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お客様本位

当店にとってお客様は花嫁ですが、
花嫁(あるいは花婿)にとってのお客様は列席者です。
当店がどの程度お客様によくできているか、自分たちではわからないのですが、
新郎新婦もどの程度お客様によくできているのか、
自分たちではあまりわかっていないのではないでしょうか。

だいたい、男性と女性では考え方が全く違います。
女性の列席者は多かれ少なかれ、きれいな花嫁姿を見に来ます。
着物やウェディングドレスがきれいであれば、
ご祝儀分の体験はできたと、満足するようです。

では男性はどう思うか。
男性だってドレスを着たきれいな女性を見るのは嫌いではないですが、
同時に綺麗であればあるほど、
「なんでこんなきれいな人を、奴め許せん」
となりますので、複雑なものがあるわけです。
そんな男性列席者にとってなにより重要なのは、
料理、特に肉系の安定供給にあります。
男性はたんぱく質の摂取が不十分ですと、
結構不満が残ります。
若い男性が多い場合には、
質はともかく量は十分用意したほうが良いかと思います。

でもそれより大事なのは、やはり新郎新婦の気持ちですね。
以下は男性の方が十分良く認識しており、
女性はしばしばそのことを忘れがちになることなのですが・・・

新郎新婦は別に、「主役」ではありません。
結婚式は、舞台でもなければ映画でもありません。
結婚式・披露宴というものはあれは、
「至らない私たちですが、どうか今後サポートお願いいたします」
と頭を下げる行事であって、
「主役」というより「ホスト役」ですね。
ですので私なんかは、お客様にデザートやお茶をサーブしたりすることに一生懸命になる新郎新婦を見ると、
大変いい気分になります。


・・・なんか爺の説教じみてきたのでここまでとします。

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遺志

さる在日朝鮮人の方のドレスを作っていたときのこと。
清水が言い出す。
「昨日夢を見た。李朝の服を着たお婆さんが、こんこんと民族服の説明をしてくれた。
おそらくご先祖さまだろう」

さる花嫁、お母様がなくなっている方のドレスを作っているときのこと。
「どうも素材調達でハプニングが多い。ひょっとしたはずみで決定的な素材が出てくる。
お母様が探してくれているのではないか」

オカルト的な話ですが、別に特定宗教にはまっているわけではありませんので、ご安心を。

結婚を引きとどめるのは父親ですが、後押しするのは母親やおばあさんなど、
女性の尊属です。
実際ドレスが上手くできて、一番喜んでくれるのは花嫁の母親ですしね。

この仕事をやっていると、
結婚するのはいったい誰なのか、と時々思います。
無論本人は「自分が結婚しているのだ」と思っているでしょうが、
母から娘へ、娘から孫娘へと、
母系の生命の流れのようなものが最初にあり、
結婚はその流れの中のひとつのイベントに過ぎないような気もします。
よく「早く結婚しろ」とせかされて、圧迫されて苦しいという女性がいますが、
彼女を圧迫しているのは親やら世間やらではなく、
生命の流れそのものなのではないでしょうか。
男性だって結婚しなきゃいけない。
でもせかされても、苦しくはないですから。うざくはあっても。

その男性はというと、あくまで流れの外の傍観者でして、
大いなる流れの中に入ることはできない。
で、仕方がないから家系図なんかを作って女性に対抗するのです。
家系図というものが、通常父系を書き記すのは、そういう理屈なのではないか。

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実家の着物を取り出してみたときのこと。
襦袢の背中、つまり決して見えない部分に、
大きく派手な竜の刺繍がしてあった。
ああ、これが日本文化かと思った。

先日行った結婚式。
ご主人は優しく、控えめな方。
しかし来賓の挨拶では、
その仕事っぷりを絶賛されていた。
二次会にも膨大な数の友人が駆けつける。
どうやら慶事のヨイショではなく、
本当に有能であるようである。

もちろん、優しいだけの人物が、仕事が出来るはずがなく、
友人を沢山集められるはずもない。


IMG_1424.JPG

IMG_1425.JPG

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構築性

通常HP掲載の画像は原則としてPhoto Siesta撮影のものに限っています。
が、今回アップしましたのみは例外です。
現地カメラマンの撮影分と、アトリエでの茂桐撮影分を掲載しています。

ご覧になられて分かる通り、
このドレスはHPに掲載されているSiestaのドレスたちとは、
かなり趣を異にします。
当店は良くも悪くも甘味料過剰の味付けが基本ですが、
このドレスは、シンプルでシャープです。
そうなったのは、
ブライズコーディネイト(着付け係)が帯同できないからでもありますが、
花嫁自身のパーソナリティのゆえでもあります。

彼女は建築士の卵でした。
女性にはめずらしく、理系的、構築的な頭脳を持っていました。
ただそれだけでしたら、多くの男性と同じですから、
わざわざドレスを作ろうとは思わなかったと思いますが、
一方で普段着られている服からも
(私から見て)独特の美意識が感じられました。
建築とはそういうものですね。
芸術でもあり、工業でもある。

方針の決定までは、えらく難渋しました。
普段とは違う芸風が必要とされたからです。

彼女自身はドカンと全て任せて下さったのですが、
(そうしてそういう方ほど大抵結果が良いのですが)、
慣れないことは時間がかかります。
ああでもない、こうでもないと、
スタッフ全員で紛糾に紛糾を重ねて、
最終的にご覧になられているようなカタチになりました。

実際、ドレス作りはそんなものです。
デザイナーといえども、半分しか作れないのです。
残り半分は、花嫁自身が作ります。

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