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遺志

さる在日朝鮮人の方のドレスを作っていたときのこと。
清水が言い出す。
「昨日夢を見た。李朝の服を着たお婆さんが、こんこんと民族服の説明をしてくれた。
おそらくご先祖さまだろう」

さる花嫁、お母様がなくなっている方のドレスを作っているときのこと。
「どうも素材調達でハプニングが多い。ひょっとしたはずみで決定的な素材が出てくる。
お母様が探してくれているのではないか」

オカルト的な話ですが、別に特定宗教にはまっているわけではありませんので、ご安心を。

結婚を引きとどめるのは父親ですが、後押しするのは母親やおばあさんなど、
女性の尊属です。
実際ドレスが上手くできて、一番喜んでくれるのは花嫁の母親ですしね。

この仕事をやっていると、
結婚するのはいったい誰なのか、と時々思います。
無論本人は「自分が結婚しているのだ」と思っているでしょうが、
母から娘へ、娘から孫娘へと、
母系の生命の流れのようなものが最初にあり、
結婚はその流れの中のひとつのイベントに過ぎないような気もします。
よく「早く結婚しろ」とせかされて、圧迫されて苦しいという女性がいますが、
彼女を圧迫しているのは親やら世間やらではなく、
生命の流れそのものなのではないでしょうか。
男性だって結婚しなきゃいけない。
でもせかされても、苦しくはないですから。うざくはあっても。

その男性はというと、あくまで流れの外の傍観者でして、
大いなる流れの中に入ることはできない。
で、仕方がないから家系図なんかを作って女性に対抗するのです。
家系図というものが、通常父系を書き記すのは、そういう理屈なのではないか。

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