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恐怖の裁縫技術

実はSiestaは、
デザインの店でもなく、
素材の店でもなく、
ヘアメイクの店でもなく、
アクセサリーの店でもなく、
ブーケの店でもなく、
シルクフラワーの店でもなく、
写真の店でもなく
それらを合わせたトータルコーディネイトの店でもない。

もちろんそれら一つ一つは、
(自慢ではないが)最高レベルなのだけれど、
実は我々が最も誇りに思っているのは、
裁縫技術なのである。
驚愕の裁縫技術という呼び方では生易しすぎる。
それは、恐怖の裁縫技術とでも呼ぶべきものである。
以下その一端をお示しする。

肩紐が欲しくなったのだが、
伸縮性が欲しい。
ゴムひもそのままでも良いのだが、
ドレスの色が薄いピンクの為、合う色のものが無い。
あるいはゴムひもを染めても良いのだが、
ゴムひもを直接肌に当てるのは、当社の思想に反する。

で、ドレスと同じシルクで、ゴムひもカバーを作った。
シルクを裏返して、ゴムひもと同じ太さに細く直線で袋縫いにする。
それも難しいのだが、そこまでは少し上手ければできる。
問題はその先、カバーをひっくりかえす作業である。
なにしろ細い。ひっかかってひっくり返せないのである。
そこで絶対公開できない秘密技を開発して、

1


ごらんの通り見事ひっくり返して、ゴムひもを通してしまった。
後に見えるのはボールペンです。

4

3

これを見てデザイナーは感動の余り泣き出し、
開発者もそれを見て泣き出し、
ある服飾プロがたまたまこのカバーを目にして、
「私も何回もこの技術に挑戦したけど、とうとう成功しなかったのに」
と絶句し、
別のプロはがっくりと首を落として、
「引退します」
と言ったくらいである。

かくいう私も、
一見してその技術の素晴らしさに驚愕し、
同時に私は会計担当だから、
「こんな細かい事やってりゃそれは、採算性はあがらないわさ」
と恐れおののいた、そういう意味でも、
これは驚愕の裁縫技術というより、
恐怖の裁縫技術と呼ぶのが相応しいものなのです、はい。

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